小児科外来で面白いことがあります。小学校低学年までの子ども達に向かって「お母さんに似てるね」とか「お父さんに似てきたね」と言うと、子供たちは満面の笑みを浮かべ、お母さんやお父さんの方を振り返ります。 ところが、思春期に入り始めた小学校高学年以降の子ども達に「似てるね」と言うと、嫌〜な顔をします。なぜなら、小学校低学年まで子ども達は両親をスーパーマンのように慕っていますが、小学校高学年になると「親も所詮これぐらいか」と客観視できるようになり、強い反発心から親のカゴを飛び出したくなるからです。 したがって、この時期に「似てるね」と言われると、「自分は所詮この親と同じくらいにしかなれないのか‥」と悲嘆するのです。自分の子供だけでなく、親戚や他人の子供に対しても、この時期には「親に似てるね」と言わないようにしましょう。 誰しも社会人になり、家庭を持ち、子供ができると、「似てるね」という意味の重さを理解するようになりますから、心配要りません。 |