インターネットや本屋でステロイドの塗り薬のことを調べると、あまりにたくさんの副作用が強い口調で書かれているのに驚くでしょう。 1990年代に「アトピービジネス」と呼ばれる商売が一斉を風靡しました。海水を塗る治療法、飲み水・風呂の水すべてを特殊な水に変える治療法、40〜50万円もする高性能掃除機など。 それらの療法や器具の効果は科学的検証がなされていないため、新聞や広告の文言、つまり売る側の言葉を鵜呑みにするしかない状態でした。加えて、売り手はステロイドの塗り薬の副作用をオーバーに表現して非難することで、療法や器具の優位性を示そうとしました。これを「ステロイド・バッシング」と言います。 ステロイドの塗り薬の強さの5段階と皮膚の場所によるデリケート差を理解して使用していれば、副作用は、ほとんど起きません。特に、白内障・糖尿病・骨粗しょう症といった全身性の副作用はステロイドを服用している場合に起きるもので、塗り薬で皮膚から吸収されて血液中に入る量は非常にわずかですから、全身性の副作用はほとんど起きません。 |