熱が出て小児科を受診して、最も多く言われるのが「扁桃腺やね」という診断でしょう。これが意外と曲者(くせもの)なのです。ノドの両側にある扁桃腺がわずかに赤いだけの「カゼ」の類から、べったりと白い膿の付いた「化膿性扁桃腺炎」まで、医師は「扁桃腺やね」と安易に説明しています。 「カゼ」はウイルスによるものですから抗生物質は必要ありませんが、「化膿性扁桃腺炎」は細菌の繁殖によるものですから抗生物質の服用が必要です。 抗生物質をたくさん服用していると、徐々に抗生物質に抵抗性の細菌(耐性菌)だけが体の中に残ります。そのような耐性菌がはびこって病気を発症すると、効く抗生物質がなくて治療しにくくなります。したがって、扁桃腺がわずかに赤いだけの「扁桃腺やね」には、抗生物質を使用せず、うがいだけで対応することをお勧めします。 |