薬には「病気を治すための薬」と「症状を抑えるための薬」の二種類があります。例えば、扁桃腺に細菌が増殖して炎症を起こしている扁桃腺炎では、「細菌を消滅させるために抗生物質」(抗菌薬とも呼びます)を服用します。これは「病気を治すための薬」です。服用しなければ悪化する可能性が高く、服用すれば病気が治るまでの期間が短くなります。 もう一方の例は“カゼ薬”で、セキや鼻水といった「症状を抑えるための薬」であり、治す力はありません。服用すれば症状が少し軽くなりますが、病気が治るまでの期間はほとんど変わりません。したがって、「病気を治すための薬」は処方された日数をすべて服用する必要がありますが、「症状を抑えるための薬」は全部を服用する必要はありません。 今回処方された薬がどちらに属するのかを知るためには、医師に「全部服用した方がいいですか、症状がなくなったら途中で止めてもいいですか」と尋ねてみたらよいでしょう。 |