平成元年にWHOとユニセフは「母乳育児を成功させるための10か条」を制定し、世界に向けて母乳育児を推奨しました。栄養バランスの良さ、免疫力補助の高さ、アレルギーの誘発性の低さなどの点で母乳が人工乳に比べてすぐれているからです。 加えて、赤ちゃんが乳首を吸うことによりオキシトシンが分泌され子宮の収縮回復が促進されます。このように書くと「母乳が絶対」と思ってしまいますが、そうではありません。 母乳と人工乳の比較は、2倍とか3倍とかいう違いではありません。これまでにたくさんの子供たちが人工乳だけで育っていますが、母乳栄養児に比べて劣ってはいません。母乳育児の最も大切な点は、スキンシップにあると私は考えています。 おっぱいをふくませている赤ちゃんとお母さんの目と目が合う。それにより赤ちゃんはお腹が満たされると同時に心が満たされるのだと思います。 逆に言えば、テレビやスマホを見ながらの授乳は、哺乳瓶をくわえさせて放っておくのと大差ないでしょう。つまり、たとえ哺乳瓶で人工乳をあげていても、しっかり目を合わせれば、赤ちゃんはお腹も心も満たされスクスクと成長します。 |