子どもの病気に関しての講演会をしたときに、とてもよく質問されるのが「包茎(ほうけい)」についてです。 チンチンが付いていないお母さんにとっては、包茎と言われてもチンプンカンプンでしょう。 お父さんに相談しても大抵、「皆こんなもんじゃない」としか返ってきません。 かといって病気とも思えないので、風邪や熱で小児科を受診したときには、包茎のことを質問せず帰宅してしまいます。 以前、包茎の質問が出た講演会の会場に、5〜6人の男児がいたので、全員オムツをはずしてもらい、順番にチンチンをチェックして、お母さん方に見てもらいました。これが大好評でした。 包茎かどうかということは、チンチンの先の皮膚(包皮)を根元の方に向けて引っ張った時に、チンチンの先っぽ(亀頭)が見えるか見えないかで判断します。乳児期には、ほとんどの赤ちゃんが包茎で、異常ではありません。 多くの場合、何もしなくても包皮が自然に伸びて、小学校に入るまでには亀頭が見えるようになります。 包茎であるために最も困るのは、おしっこの飛ぶ方向が定まらないために、立っておしっこをするとトイレを汚すことです。したがって、3〜4歳の健診で包茎があったときには、小児科の先生にステロイドの軟膏を処方してもらい、1日2〜3回、包皮を引っ張って包皮の先端にステロイドの軟膏を塗ります。 これを続けていくと、数週〜数か月で包皮が伸びて、亀頭が見えるようになります。包茎を治す手術が必要になる場合は、ほとんどありません。注意して欲しいのは、包皮を無理に引っ張って、包皮が裏返ってしまうと、元に戻らなくなることがあります。そうなった場合には、必ず医療施設を受診してください。 |