最近、私は診察をしながら子どもたちに「兄弟(姉妹)でケンカしないか?」と尋ねます。ほとんどの子ども達が「しないよ」とか、「ちょっとだけする」と答えますが、横からお母さんが「そんなことないでしょ、今も待合室でケンカしていたじゃないの」と茶々を入れてきます。 でも、子ども達の表情を見ていると、嘘をついているような感じはしません。さらに面白いのは、次に「それで、ケンカするのはどちらが悪いの?」と尋ねると、多くの子どもが「両方」とか「う〜ん、分からん」と答えます。相手を指指す子はほとんどいないから、不思議です。まあ、家族全員が一人の子どもを指差すときも、まれにありますがね。 誰もが小さいときにたくさんの兄弟ケンカをしてきたと思いますが、恨んでいませんよね。子どもたちにとっては、兄弟ケンカは大人が考えるようなケンカ(闘争)ではなく、レクリエーションに近いものなのです。ケンカを止めに行くのが遅れると、勝手に仲直りして、また二人で遊んでいることがありますよね。ですから、兄弟ケンカに目くじらたてる必要はないのです。 |