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多賀クリニック(白山市)受診のコツ28

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「じゅしんのコツ」 No.28

下痢便のオムツ

「子供が下痢をしている時、下痢便のオムツを持って行って見せた方がよいのでしょうか?」

他の人への感染の原因になりますから、便の状態の画像を持参するだけにしましょう。


私が小児科医になった30年ほど前に「下痢便の性状と臭いを観察するのは必要不可欠である」と教わりました。そのためずーっと、お母さん方に「下痢便のオムツを持って来て、見せてくださいね」と説明してきました。

しかし、ノロウィルスやロタウィルスや大腸菌O-157の感染力の強さが明らかになり、手洗いをきちんしているつもりでも、家族じゅうが順番に胃腸炎になることは時々経験します。

胃腸炎は便を介して感染するのですから、便をなめているつもりはなくても、空気中に舞っている便の細かい飛沫を吸い込んでしまうことで感染しているのでしょう。

とすれば、行き帰りや待合室で便を持ち歩く、診察室で便を見せることによる感染の危険性は非常に高いと考えます。したがって、便の性状を見てもらいたいときには、スマホや携帯電話で写真を撮って、それを見てもらえばよいと思います。





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