子供は質問の名人です。親や大人に向かって、遠慮も恥ずかしさもなく、何でも次々と質問してきます。素朴で基本的な質問ほど答えるのが難しい。その代表的な質問が、「サンタクロースって、ほんとうにいるの?」でしょう。 この絵本は子供たちの興味や疑問がどんな方向に進んでいくのかをとても上手に描いています。それ以上に、お父さんとお母さんが丁寧に、そして一生懸命考えて、正直に答えている姿がとても温かく感じられます。 ある本に、「幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に“信じる”という能力を養う。・・・・この空間、この収容力、つまり目に見えないものを信じるという心の動きが、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かはいうまでもない。のちに、一番崇高なものを宿すかもしれぬ心の場所が、実は幼い日にサンタクロースを住まわせることによってつくられるのだ」と書かれていました。 こんな風に、丁寧で、一生懸命で、正直な、そして夢のある会話を紡いでいけたら、ワクワクした子供・大人がいっぱいになることでしょう。 |