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多賀クリニック(白山市)子育ての知恵袋108

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「子育ての知恵袋」 No.108

母乳にこだわらずミルク追加

<お母さんからの質問>

初めての赤ちゃんなのですが、おっぱいがあまり出ません。
健康診断の時に「母乳育児が大切です、頑張りましょう」と言われるのですが、三十分以上吸わせても寝ないので、思わずミルクを足してしまいます。
私はダメな母親なのでしょうか。

(2か月の赤ちゃんのママ)



<多賀先生のアドバイス>


おっぱいは毎日何回もありますから、そのたびに悩んでつらいですよね。

でも、おっぱいが出ないのは、お母さんの責任ではありません。一人目の時は出なかったけど、二人目では余るほど出たと言う人もいます。


回数が多く、時間をかけておっぱいを吸わせた方が出るようになるのですが、必ず出るわけではありません。

あまり時間を長くすると、赤ちゃんも疲れてしまいます。

おっぱいを両方でニ十分ぐらい吸わせても、欲しがるようなら、ミルクを追加していいでしょう。

遊び飲みだけなら、ミルクをそれほど飲みません。


一九八九年に世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は「母乳育児を成功させるための十カ条」を制定し、母乳育児を推奨しました。母乳が栄養バランスのよさ、免疫力の補助の高さ、アレルギーの誘発性の低さなどの点で優れているからです。


しかし、母乳とミルクで、二倍とか三倍という違いではありません。ミルクだけで育った赤ちゃんも、立派に育っています。

たとえ哺乳瓶でミルクをあげていても、しっかり目を合わせれば、赤ちゃんはお腹も心も満たされスクスクと成長します。

お母さんの笑顔が子どもたちにとって最も大切な栄養ですから。



[北陸中日新聞、令和3年3月11日掲載]




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