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多賀クリニック(白山市)子育ての知恵袋110

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「子育ての知恵袋」 No.110

チック一対一の時間で軽減

<お母さんからの質問>

二か月ほど前から、小学一年生の娘が、右目だけまばたきをしたり、変な声を出したり、肩をあげたりするようになりました。注意してもなくなりません。
本人は「やろうと思っているわけじゃないけど動いちゃう」と
言っています。これはチックなのでしょうか?

(7歳娘と4歳息子のママ)



<多賀先生のアドバイス>


発達障害やけいれんの経歴がある場合は脳波検査が必要ですが、お子さんはチックの可能性が高いと思います。

チックは精神的ストレスによる無意識の動作ですが、メカニズムはわかっていません。

大切なことは、チックを悪者扱いして止めさせようとしないこと。精神的不安定さをお母さんへ伝える窓口と考え、気づかないふりをしましょう。


小学一年生には大きな山があります。

幼稚園・保育園ではいつでも「オシッコ」と言えますし、発表会で棒立ちでも笑い話です。

でも小学校に入ると、上級生と集団登校や運動会があります。

授業中は動けませんし、宿題も出ます。

精神的不安になり、チックが出で当然です。チックは心の電池切れ状態なのです。

特に長男・長女は下の子の誕生から我慢をし続けてきましたから、なりやすいですね。


お風呂やお出かけでお母さんとの一対一の時間を増やすとチックは軽減します。

逆に、その窓を無理やり閉めれば、子どもたちは別の窓を開けようとします。チックが「ゼロ」になることを目指すのではなく、少し減ればオーケーです。だって、子どもたちが精神的不安定さをお母さんに伝えるための窓口ですから。


[北陸中日新聞、令和3年4月29日掲載]




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