<お母さんからの質問> 小学一年生の息子が四月中は元気に登校していたのですが、五月の連休明けから学校へ行くのを嫌がります。 特に月曜朝に「頭が痛い」や「お腹が痛い」を言います。 でも学校を休ませると、家では元気にはしゃぎ回っていて、「仮病なんじゃないの?」と思ってしまいます。 (6歳息子と1歳息子のママ) <多賀先生のアドバイス> 小学一年生には大きなヤマがあります。 幼稚園・保育園ではいつでも「オシッコ」と言えますし、発表会で棒立ちでも笑い話です。 でも小学校に入ると、上級生と集団登校や運動会があります。 授業中は動けませんし、宿題も出ます。精神的不安定、すなわち心の電池切れ状態なのです。 「学校を休ませると家では元気」だそうですが、無意識での心の訴えですから、「仮病」と言うのはかわいそうです。 特に長男・長女は下の子の誕生から我慢を続けてきましたから、なりやすいですね。 一年生の行き渋りは、お風呂やお出かけでお母さんとの一対一の時間を増やすと二、三週間で軽減します。 小学校低学年までのトラブルは原因が浅いので、原因探しをする必要はありません。 また、生活・心理面でお母さんがカバーしている領域が広いので、お母さんの関わりを少し変えるだけで、子どもの精神状態はよい方向に動くのです。 無理やり登校させようとすると、心の電池は減ります。 人は自分に与えてくれた時間、特に一対一で使ってくれた時間を愛情として心の電池にためていきます。 もう一つ、「ありがとう」をたくさん言ってあげることも、心の電池の充電になります。 [北陸中日新聞、令和3年5月27日掲載] |