<お母さんからの質問> お父さんに家事の仕事を頼むと、途中で手が止まっていたり、始末が不十分で、結局、私がもう一度やり直すことになって、二度手間になります。 お父さんにきちんとした手伝いを教育するにはどうしたらよいでしょうか? (10歳と7歳と5歳の3人兄弟のお母さん) <多賀先生のアドバイス> どの家庭にもある課題ですよね。でも、十年以上の経験があり、家事のプロのお母さんと、お父さんのレベルを比較するのはしょせん、無理というものでしょう。 お父さんに「なぜ家事を手伝うのが嫌になったのですか?」という質問をすると、最も多い回答が「一生懸命やったつもりなのに、『こうじゃないでしょ』と言われたり、言葉に出して言わないまでも、膨れっ面して黙々とやり直しされると、そんなくらいなら自分でやりなよと思ってしまう」というものです。 そこでお母さんへのアドバイスは「60%オーケーの法則」です。 すなわち、お母さんが「これぐらいしてほしいなあ」と思っている程度の60%レベルを超していたら、それでよしとして、即座に「ありがとう」を言葉に出して言いましょう。 前回の相談で書いたように、指図や強制より「ありがとう」の方が、人を動かす効果は何倍も高いのです。 そのようにして60%を繰り返していけば、お父さんも経験値が増して、だんだんと上手になっていきますよ。 教育にとって大切なのは、材料とタイミングと継続です。 お父さんの教育も同じです。 〔北陸中日新聞 令和3年8月5日掲載〕 |