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多賀クリニック(白山市)子育ての知恵袋115

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「子育ての知恵袋」 No.115

荒い言葉遣い 自立の始まり

<お母さんからの質問>


小学四年生の長男が最近、あまりくっついてこなくなったなぁと思っていたら、何かの会話に突然、嫌悪感を示して「クソばばぁ」と言って、部屋から出て行ってしまったりするようになりました。

これまで素直な子どもだったのに、壊れてしまったのでしょうか、非行に走ったりしないでしょうか?


(10歳男の子と6歳の女の子のお母さん)



<多賀先生のアドバイス>


十年間かわいがって育ててきた息子から「クソばばぁ」と言われたら、ショックですよね。

でも安心してください。それは正常な精神発達の証しです。


幼児期に親との信頼関係が十分に築けた状態になると、子どもたちは自然発生的に自立を始めます。

両親に「自分でしなさい」とか「甘えてたらだめよ」などと、尻をたたかれたから、自立が始まったり、自立したくなったりするのではありません。


自立とは文字通り「自分立つ」ということですから、寄りかかっていた親から「えい、やっ」と飛び出す必要があります。

それが思春期であり、その宣言が「クソばばぁ」なのです。


私は子育て講演会で「小学校高学年の息子から『クソばばぁ』と言われたら、お赤飯を炊いてお祝いしましょう」と話しています。

あるお母さんは「いつ『クソばばぁ』と言われるかが楽しみになりました」と話していました。


娘がお母さんに向かって「クソばばぁ」と言うことはまずないと思いますが、思春期になると言葉遣いが荒く、反抗的になります。

どうしても売り言葉に買い言葉の展開になりがちですが、つられて親が言葉を荒く汚い言葉にしないように心掛けましょう。


〔北陸中日新聞 令和3年9月2日掲載〕




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