<お母さんからの質問> 娘の高校受験が近づきました。親として心配で、夜も眠れないくらいです。 (中3の娘を持つお母さん) <多賀先生のアドバイス> 「親が心配しても子どもの手助けにはならない」と言われても、心の動きは止められませんよね。 一度、何が心配なのか考えてみましょう。 試験は合格か不合格しかありません。合格すれば「あんなに勉強してなくて」と皮肉っても、支障ありません。勝てば官軍ですから。 つまり、お母さんの心配は、「不合格だったら」ということに尽きます。 以前に友人から次のような話を聞きました。 「自分は合格確実だと言われた高校の入試に落ちた。そこに同席した父親が『この試験は、おまえの人間全体を評価しているものじゃないんだよ』とだけ言って、それ以上何も言わなかった。その後、別の高校へ進学して、とても楽しい高校生活を送ることができた。 もし、あの一言がなかったら、どうしていただろうと思う」 もしも、不合格になった時にどのような一言を掛けるのか。 それだけを決めておけば少し心が落ち着くでしょう。 紙に書いて、家族で共有しておきましょう。 親が動転して思わぬ一言を口にしてしまった後、言い直しや弁解をしても、その一言だけが長い間、子どもの心に残ります。 〔北陸中日新聞 令和4年2月22日掲載〕 |