<お母さんからの質問> 娘は習い事のピアノが大好きだったのに、最近「行きたくない、やっぱり行く」とコロコロ言うことが変わり、この子の本心が分からず困っています。 (6歳の女の子のママ) <多賀先生のアドバイス> 学校や保育施設への行き渋りを含め、子どもの心変わりは親にとって本当に厄介ですよね。 ずっと生まれた時から見ている親でも、子どもの本心をつかむのは至難の業でしょう。 では、本心とはどこにあるのでしょうか? 例えば、家族でレストランに出かけて、各自がメニューを見ながら注文しますね。自分がオムライスに決めた時、誰かに「本心か」と尋ねられたら、どう答えますか? 私たちは本心というような確たるものは持っておらず、六対四とか五・五対四・五で「まぁこっちかな」と決めているのです。 従って、本心があるはずと考えるのは無理ということです。 加えて、親が「本当はどうなの?」と追求した時、子どもがどのように返事をしたら、親は「それが本心なのね」と納得するのでしょうか。 おそらく、親の希望する答えが子どもから返ってきた時であって、子どもが本心により近いことを言った時ではないのです。 なぜなら、親は子どものことを一番よく知っていると過信しているからです。 〔北陸中日新聞 令和4年5月31日掲載〕 |