<お母さんからの質問> 9月1日に中高生の自殺が多いというのは本当でしょうか? それに対して何を心掛けたら良いのでしょうか? (高校2年と中学1年の息子のお母さん) <多賀先生のアドバイス> 「十八歳以下の日別自殺者数」で検索すると、中高生の自殺は九月一日だけが平均値の倍以上です。 八月十六日付に記載したように、一学期に蓄積した学校のストレスは家庭で解消されず、心の中に残っています。 そして、九月一日からストレスが上積みされるのが想像されます。 鬱屈(うっくつ)した気持ちは誰かに話して、初めて発散されて軽減していきます。 小さい子どもたちはお母さんに「ねぇ、聞いて聞いて」と言いますし、大人が同僚に愚痴を言うのも同じです。 しかし、思春期の子どもたちは親になかなか話をしません。 なぜなら、思春期は自立の練習期間ですから、反発心をてこにして親から離れることを試行しています。 加えて、思春期の子どもたちが親に話をしなくなる理由は、小さい時から顔を合わせる度に忠告・勧告・強制をされるからです。 つまり、親は子どもの話を聞いていないのです。 アドバイスや意見を言わずに、ゆっくりじっくり子どもの話をまず聞きましょう。その姿勢を見れば、きっと話し始めます。 〔北陸中日新聞 令和4年8月23日掲載〕 |